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Review
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Exhibition Review 2
小倉 正志 展 「21世紀都市」 【開催を終えての再考論評】

 私はこのような小倉の作品から、共通して、都市の風景というよりはむしろ、人間が存在する以前の光景を見る思いがする。もちろんその光景を私は見知らな い。しかし、それはとても抽象的な、なにかの誕生であり、あるいは破壊の様相のように私には見える。なぜ都市を描こうとしている小倉の作品からそのような ものが浮かび上がるのか。理由は小倉が、都市を無機的なものではなく、「常に変化する生命体」として捉えているからだろう。自ずと作品には生命の胎動であ り消滅、ないし感情のようなものが生まれることになる。むしろそうでなければ、生命体と言うことは難しい。



  小倉が作品を〈都市〉として見て欲しいと望むのであれば、こうした解釈は誤りかもしれない。けれども、ビルと人間の表象のされ方に象徴的だが、都市から 抽出された要素は必ずしもそれらしき姿をしているわけではない。その事実こそつまり、描き出されたものが都市とはまた違うものへ化けていることを小倉自身 認めていることの証左ではないか。私が都市というよりは人の存在しない風景を想起したように、小倉の作品は小品について言えばとりわけその振り幅が大き く、鑑賞者に対して様々な解釈の余地を残している。

  

  

  

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