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Review
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Exhibition Review 2
西川 茂 展 「interlude」 【開催を終えての再考論評】

 このようなオイル・ペインティングと対称をなすのが、アクリルによる一連のドローイングである。色や構図の実験的試作であるドローイングはヘリコプターも トンボも登場せず、ペインティングには認められない大胆なストロークが顕著であり、淡い色彩が多いこともあり軽やかな、即興性の強い作品になっている。絵 具の滲みも効果的に使われており、共通するのは展示された作品はすべてスクエアだったという点(ただし、ストックには横長のものもあった)、そして画面中 央に水平線らしきものが認められる点だろうか。それら以外は、ペインティングは時が止まっているかのような静寂を感じさせる一方でドローイングはスピード 感が際立っているなど、差異が著しい。

  

  ドローイングは「exercise for space」というタイトルに端的にあらわれているように、〈空間〉を形成する〈練習〉として作家の中では位置づけられている。作品としても成立している のだが、しかしドローイングをペインティングの〈練習〉として考えるならば、なぜペインティングにドローイングにあらわれている要素がほとんど見受けられ ないのか、ということも指摘できる。ドローイングがあくまで〈練習〉であり〈下絵〉ではない以上、まったく同一のものがあらわれる必要はもちろんないが、 それでもペインティングにドローイングの要素があらわれることも今後の展開として期待したい。〈空間〉とともに作家が表現しようと求める〈音〉が、私はド ローイングによりあらわれているように思えるからである。

  


《exercise for space 010》(watercolor,acrylic on paper / 2009年)

  
左作品 《exercise for space 007》(watercolor,acrylic on paper / 2009年)
右作品 《exercise for space 004》(watercolor,acrylic on paper / 2009年)

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